電気ヒーター暖房器具の種類と性能の違い

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電気ヒーター暖房器具と各種暖房の違い

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電気ヒーターによる暖房器具は、化石燃料を使用せず、供給される電気を使用して熱を発生させる。ハロゲンヒーターやカーボンヒーターという名称の暖房器具で、家電店などで販売されている。一般には電気ストーブという名称でも普及している。

ハロゲンヒーター、カーボンヒーター以外には、ダイキン工業が販売しているセラムヒートに代表される遠赤外線暖房機など、電気暖房には数多くの選択肢がある。高効率で消費電力が小さく、暖房能力の高い電気ヒーターも存在する。

ここでは、セラミックファンヒーター、オイルヒーター、カーボンヒーター、ハロゲンヒーターなど、各種ある暖房器具の特徴、効率の良い使い方、電気代についてを解説していく。

電気ヒーター以外の暖房方式

電熱線を電気によって暖める方式以外として、エアコンによる暖房、石油ファンヒーターによる暖房がある。気流を発生させ、燃料を燃焼させる方式であることから、空気の汚れが気になる暖房方式である。

エアコンによる暖房

一般的に寒冷地を除き、住宅の暖房器具はエアコンが主流である。エアコンは、室内空気を取り込み、機械本体が内蔵している熱交換器によって冷気を暖気に変えている。部屋全体を効率よく暖められ、冷房・暖房を使い分けられるため、高い普及率を誇っている。

エアコンによる暖房はヒートポンプを使用しているため、消費電力よりも大きな暖房能力を生み出せる。本体価格・設置価格は高く、設置する部屋の広さにもよるが概ね50,000円~200,000円程度となる。暖房器具としての特性は良好であるが、長時間使用したエアコンは、カビやホコリがフィルターやフィンに付着してしまうため、汚れたフィルタやフィンを通過した風により、室内空気環境が悪化する。

長期間清掃しなかったエアコンから吹出す風により、ハウスダストによるアレルギー症状を引き起こすので、定期的な清掃が不可欠である。清掃しなければ暖房能力が低下し、消費電力が大きくなり効率が悪化する。

石油ファンヒーター暖房器具

エアコン以外の暖房器具では、石油類を使用するファンヒーターがある。燃料をその場で燃やすため、エネルギーのロスが少なく暖房効率が非常に良い暖房器具である。しかし、暖房能力の高さという利点に対し、室内で燃料を燃やすため空気環境が悪化する。燃焼のため酸素が少なくなり、一酸化炭素や二酸化炭素が増加するため、定期的に外気を取り入れる必要がある。

十分な換気を行わなければ、二酸化炭素が増加することによって体調の不良を訴えたり、燃料の不完全燃焼が万が一発生すれば、一酸化炭素による中毒を起こすおそれがある。個人所有の戸建住宅では問題ないが、マンションやアパートの集合住宅では、火災や不完全燃焼による事故を懸念し、石油燃料を使用した暖房器具を禁止している場合も見受けられるので、エアコンまたは電気ヒーターしか選択できないことも考えられる。

ガスファンヒーター暖房器具

石油系ファンヒーターと違い、すでにガス化されている燃料を使用することで、暖房器具から温風が放出されるまでの時間が短縮される。石油系の暖房器具よりも稼働時の臭気発生が抑えられ、クリーンな暖房器具として注目されている。換気をしなくても良いということではない。一酸化炭素中毒を防止するため、1時間に1~2回の換気を必要とするのは石油系のファンヒーターと同様である。

都市ガスなどを利用できる環境であれば、灯油を使った石油ファンヒーター暖房器具と違い、燃料補給の必要がない。プロパンガスを使用する機器の場合、屋外に設置されているガスボンベへの補給が必要であるが、専門業者によって補給されるため、灯油を使用するストーブやヒーターよりも管理が容易というメリットがある。

熱源としてガスを利用するため、暖房器具はガス栓に接続する。接続には「ガスコード」と呼ばれる専用の接続管を必要とし、ゴム管やゴムホースなどを流用できない。必ず、取扱説明書に記載されている専用のガスコードを用いる。

エアコン・石油ファンヒーターと電気ヒーターとの比較

エアコンや石油ファンヒーター等の暖房器具と比較し、電気ヒーターを使用した暖房器具は、電気エネルギーを利用し、燃料を燃やさずに発熱できるためクリーンな暖房できる。エアコンのようにフィンやフィルタへの汚れ付着もなく、アレルギーの原因になる心配もない。石油を使用するファンヒーターのように、燃料を燃焼させることによる空気の汚れや、専用換気の必要もない。

電気暖房はクリーンな性質から、密閉した室内で使用でき、換気を最小限に抑えられるため、熱エネルギーのロスを小さくできる。燃料を使用しないため、長時間連続使用しても空気の汚れを心配することがなく、一酸化炭素中毒のおそれや二酸化炭素の増大といった危険性もない。非常にクリーンな暖房器具である。

電気ヒーターを使用した暖房器具は、局所換気に向いており、ガスや石油類の燃料を燃焼させる暖房器具と違い、部屋全体を暖めるのは難しい。電気暖房は遠赤外線の効果により、人体を直接暖めることには優れているが、空気を温めることが難しく、部屋全体を暖める場合はエアコンや石油ファンヒーターが向いている。電気ヒーターを使用した暖房器具で部屋全体を温めようとすると、同一の暖かさを確保するまでのエネルギーが大きくなり過ぎてしまい、消費電力が非常に大きくなる。

電気ヒーター暖房器具の性質を理解し、部屋の使い方によって暖房器具を選定するのが重要である。部屋全体を暖めるための暖房器具としてエアコンを設置し、執務スペースや長時間使用する机や椅子の周囲に、局所用の電気ヒーターを設置すると良い。

主の暖房器具としてエアコンやファンヒーターを使用し、補助的・局所的な暖房器具として電気ヒーターを使用するのが、効率的な暖房方法といえる。最近では電気ヒーターの性能向上も大きく進んでおり、鉄筋コンクリート造のマンションにおける4.5畳の洋室程度であれば、セラミックファンヒーターによる暖房で、十分な暖房能力を確保できる。小型のセラミックファンヒーターであれば、2,000円~3,000円程度で購入できる手軽さがあり、持ち運びも容易で汎用性が高いという利点がある。

セラミックファンヒーターの特徴

セラミックファンヒーターは、セラミックなどを使用した電熱部に、ファンによる送風を当てることで空気を暖め、温風を吹出す仕組みの電気暖房器具である。電源をオンにすることで暖房できる。

電気暖房はクリーンなイメージが強いが、ファンヒーターはファンにより風を吹出すため、空気の乾燥や風によるほこり・ハウスダストの悲惨が懸念される。

セラミックファンヒーター本体の背面や側面には、室内空気を取り込む吸気口が付いている。吸気口を塞ぐと温風が出ないばかりか、内部の電熱機器に風が当たらず冷却されないため、異常加熱を起こす。吸気口にはほこりを吸い込まないようフィルタが取付けられているが、このフィルタは長期間の使用でほこりによる目詰りが発生するので、フィルタを定期的に清掃し、目詰まりしないように手入れすることが重要である。

セラミックファンヒーターはエアコンと違い、使用した電力がそのまま暖房能力となる。一般に、住宅の洋室であれば120W~150W/m2の暖房能力が求められるので、1,200W程度の電気暖房器具では10m2程度の部屋を暖めるのが限界である。

木造の在来構造の住宅であれば、すきま風の影響により6畳程度の部屋を暖房するのが限界となる。1,200W程度の消費電力を持つセラミックファンヒーターの場合では、約8畳までのコンクリート造の部屋を暖めるのが能力の限界となる。

効率の良い電気暖房の使い方

電気ヒーターによる暖房は効率が悪いため、局所暖房とすると良い。事務室などで暖房を取り入れる場合、室全体を電気ヒーターで暖房するのは現実的ではない。部屋全体はパッケージエアコンやファンコイル、エアハンドリングユニットによる全般空調とし、個々の机の下に電気ヒーターを設置し、一人ひとりが局所的に暖房を得るという使い方が一般的に普及している。

何十m2もあるような大きな部屋の全体を暖かくするのであれば、1,000Wクラスの大きな電気ヒーターを何台も設置することになり現実的ではない。1,000W級の電気ヒーター暖房器具では、6~8畳を暖房する程度の能力しかないため、広さに応じた台数が必要である。100Vのコンセントに接続した場合、1台の暖房器具だけで1回路を占有するので、現実的ではない。

パッケージエアコンなどで暖房した場合、ヒートポンプによるエネルギー効率の良さから、6~8畳の部屋なら300W~500W程度の消費電力で暖房できる。電気ヒーターと比較すると、1/3の消費電力である。電気ヒーターで部屋全体を暖房するのは非現実的であり、大空間ではエアコンを使用するのが良い。机の下など、足元を暖める程度の暖房であれば、300W程度の電気ヒーターでも十分である。

電気ヒーターの消費電力は概ね、600W~1,200Wの製品が普及している。6~8畳程度の部屋であれば、1,000W級の電気ヒーターを使用し、小型の製品では150W~300Wがあるが、机の下に設置して、個人の足元を暖める用途としての利用が一般的である。

電気ヒーターの消費電力と電気代計算

エアコンを除く電気暖房は、常に一定の電力を消費しているため電気代計算が容易である。1,000Wの電気暖房を1時間運転すれば、1,000W×1h×24円/kWh = 24円 となる。これを一日10時間運転させ続ければ 24円 × 10時間 = 240円 の電気代が掛かる。

暖房器具のひとつにオイルヒーターがある。オイルヒーターは電気代が高くなる傾向にあるので、使用する場合は電気代の増加に注意が必要である。オイルヒーターは、触った瞬間に重度のやけどをしない程度の温度までしか加熱されないため、部屋を一気に暖めるには向いておらず、長時間の通電により電気代が高くなる。

オイルヒーターは消費電力が膨大に必要で、1,200W~1,500Wの消費電力の製品が多く販売されている。非常に大きい消費電力を必要とする割に、瞬間的な暖房をすることが不可能なので、暖房器具としては好き嫌いが分かれる製品といえる。

オイルヒーターの詳細についてはオイルヒーターの基礎知識を参照。

ハロゲンヒーターの消費電力と電気代

ハロゲンヒーターの消費電力については、300W~1,000W程度の製品が一般的なラインナップである。出力の大きな製品では、消費電力の高さも相まって、月々の電気代が高くなることが考えられる。

1,000Wのハロゲンヒーターを1時間運転した場合、1kWhを24円として計算すると、1,000[W] × 1[h] × 24[円/kWh] / 1000 = 24[円]となる。1日5時間、30日稼動させた場合、24[円] × 5[h] × 30[日] = 3,600[円]の電気料金となる。

カーボンヒーターの消費電力と電気代

カーボンヒーターの消費電力は、ハロゲンヒーターの半分程度である。1,000Wのハロゲンヒーターで電気代計算をしているが、カーボンヒーターでは半分の500Wで電気料金を算出できる。

500Wのハロゲンヒーターを1時間運転した場合、1kWhを24円として計算すると、500[W] × 1[h] × 24[円/kWh] / 1000 = 12[円]となる。1日5時間、30日稼動させた場合、12[円] × 5[h] × 30[日] = 1,800[円]の電気料金となる。機器本体価格がハロゲンヒーターと変わらず、寿命が長く、消費電力が少ないのであれば、ハロゲンヒーターを購入する理由がほとんどなく、カーボンヒーターを選定するのが得策である。

電気ヒーターの消費電力と電気代の関係

セラミックファンヒーターは、ハロゲンヒーターやカーボンヒーター、オイルヒーターと同様に、電気エネルギーを熱源とした電気暖房器具である。消費電力は非常に大きく、300~600W、大出力の製品では1,200Wを示すので、電気代が高くなることへの注意のほか、コンセントにプラグを接続する場合はテーブルタップを使用せず単独とするなど、安全面への配慮が欠かせない。

遠赤外線暖房(ハロゲン・カーボン)の特徴

遠赤外線を利用した電気暖房器具として、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターがある。これら電気暖房は、遠赤外線を室内に放出して暖房する方式のため、空気を効率良く暖めることはできない。人体に直接遠赤外線を当てることで、すぐに暖かさを感じられるので、局所的な暖房器具として効率的である。

しかし室全体を暖める用途として遠赤外線暖房を利用するのは不適切であり、設定温度まで昇温するために必要な時間は長くなり、電気代も大きくなる。電気ヒーターによる暖房は電源をオンにすることで、すぐに暖房能力を発揮するという即応性が利点であり、即座に暖房したい場合には非常に適した暖房器具である。

ハロゲンヒーターのメリット

ハロゲンヒーターは、ハロゲンランプを熱源とした電気ヒーター暖房器具で、機器に内蔵されたハロゲンランプからの放射熱によって暖房を行う。電気ヒーター全般に共通した特徴であるが、電源をオンにした瞬間から暖房機能を発揮するので、即時的に暖房が欲しい場合には非常に便利である。

ハロゲンヒーターは、石英管被覆のニクロム線に電流を流し、抵抗を発熱させて光と熱を発生させている。石英管内部にはハロゲンガスが混入されており、ハロゲンサイクルの働きにより、ランプに内蔵しているフィラメントから蒸発したタングステンは、石英管に付着することがなく、寿命が切れる寸前まで高い発熱効率を維持し、高い寿命の維持と、消費電力の80%以上を熱に変換できる高効率化が図られている。

暖房として即応性が非常に良く、スイッチをオンにした瞬間に暖房効果を発揮する。化石燃料の燃焼もないため、密閉した部屋で使用でき、空気を汚すこともない。

照明器具と同じ原理であり、騒音を発生させることがない。エアコンと比べ、本体価格が安価で、かつサイズが小さいという点もメリットとして挙げられる。扇風機と同じ製造ラインで製作できるという点から、本体価格の低減が図られている。

ハロゲンヒーターは、扇風機と同じ形状をしたもの以外に、タワー型、ボックス型など多くの種類がある。首振り機能を標準機能として持っている製品が多く、比較的広範囲の暖房が可能。

ハロゲンヒーターのデメリット

ハロゲンヒーターは放射熱を暖房として利用するので、ハロゲンランプ前面以外を暖房できない。室全体を暖める用途には向いておらず、人体に直接熱を放射させる、局所暖房としての用途で使用する。机に長時間向かっている場合など、人が幅広く動き回ることがなければ、暖房の効率が非常に良くなるが、部屋全体を暖めたいと考えた場合、エアコンや石油ファンヒーターと比較にならないほど効率が悪いので、注意が必要である。

ハロゲンヒーターは発熱時に多量の光を同時に放出するので、照射面が赤く発光し、ぎらぎらとした眩しさを感じるという点も欠点として挙げられる。

エアコンとハロゲンヒーターの効率比較

エアコンは、消費電力を暖房能力に変換する効率が高いため、2kWほどの暖房能力を400W程度の消費電力で賄える。対して、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターは、消費電力と暖房能力は等倍であり、エアコンよりも効率が良くない。同じ室条件の部屋を、エアコンとハロゲンヒーターでそれぞれ同じ温度まで暖めようとすると、ハロゲンヒーターでは5倍の消費電力が必要である。

しかし、赤外線を利用する電気暖房はエアコンと違い、室全体を暖めることによって暖房効果を狙う製品ではなく、人体に直接赤外線を照射し、人体表面の発熱を血液に乗せて循環させ、人体そのものを暖めるという製品である。エアコンのように、部屋を暖めるための暖房器具ではないため、消費電力と暖房能力の比率では、能力を比較できないため、暖房の考え方の違いを正しく理解することが望まれる。

ハロゲンヒーターの寿命

ハロゲンヒーターの寿命は、約3,000時間と約5,000時間という2種類が一般的である。一日5時間程度の運転行った場合、5,000[h] / 5[h/日] = 1,000[日]程度の寿命を持っている。夏季や中間期は暖房を使用しないため、年間5ヶ月(150日)運用したとすれば、1,000[日] / 150[日] = 6年程度となる。理論上は6年の寿命であるが、保管による劣化、移動や転倒による衝撃が与えられるリスク、チリやほこりが過熱されることによるランプの劣化などにより、1~2年でランプが切れてしまうことがある。

ハロゲンヒーターによる事故

エアコンの暖房機能は、本体の汚れで暖房効果が低くなるが、ハロゲンヒーターの場合、汚れは熱による発火につながるため危険である。ハロゲンランプ本体は点灯中600℃を超える高温になっているため、直接触ると重篤な火傷の被害に繋がる。

ハロゲンランプ表面にほこりが付着していると、発熱したハロゲンランプによって発火する可能性があるため、定期的な清掃が不可欠である。机の下など、ほこりが堆積しやすい場所にハロゲンヒーターを置いたままにすると、ほこりの堆積によって発火の危険性が飛躍的に高くなるため注意が必要である。

温度が下がっている状態でも、ハロゲンランプに素手で触ってはならない。人体に含まれる塩分が石英管に付着すると、劣化が促進されてしまい強度が低下し、破損するおそれがある。ハロゲンヒーターのガラス管が破裂して畳やじゅうたんを焦がす事例は数件発生しており、火災や火傷事故につながる。電気ストーブにおける「消費生活用製品の事故情報」では、ハロゲンヒーターによる事故報告が多数を占めているため、使用には細心の注意が必要である。

熱傷・火災事故への注意

遠赤外線効果により人体の水分を加熱するという方式で暖房を行う装置であり、ヒーターの加熱部に近づき過ぎたり、長時間人体が加熱されると、火傷を発生させる可能性がある。

電気ヒーターを付けたまま就寝することは非常に危険である。寝返りなどをした際に、電気ヒーターに思いがけず近寄っていたり、電気ヒーターにタオルケットや毛布、布団などが接触すると、発煙、発火する。就寝する際には、電気ヒーターの電源を必ず切り、離れた場所に置いておくことが望まれる。

暖房器具の高温部に限らず、比較的低い温度でも火傷症状を発生させる。低温やけどと呼ばれる症状である。ホットカーペットでの事故例が多く、ホットカーペットを通電したまま就寝し、背中全体が低温やけどの症状を起こすといった事故も報告されている。

接触部の温度が44℃の場合、6時間接触を続けると低温火傷になるといわれる。1℃上昇する毎に時間が半分になる。下記に、低温やけどになるといわれる「接触温度」と「接触時間」の関係を示す。

  • 45℃ → 180分
  • 46℃ → 90分
  • 47℃ → 45分
  • 48℃ → 23分
  • 49℃ → 11分
  • 50℃ → 5分
  • 51℃ → 2分30秒
  • 52℃ → 1分15秒
  • 53℃ → 38秒
  • 54℃ → 19秒
  • 55℃ → 10秒
  • 56℃ → 5秒
  • 57℃ → 2.5秒
  • 58℃ → 1.2秒
  • 59℃ → 0.6秒
  • 60℃ → 0.3秒

この一覧を見て分かるとおり、45℃まで上昇した物体に3時間接触すると、低温やけどである。ホットカーペットなどで、高温設定・ダニ退治設定にすると、表面温度は45℃まで上昇することがあり、高温になったホットカーペットの上で6時間~8時間就寝すれば、低温やけどになる温度を大幅に超えることなり、重篤な被害につながる。

遠赤外線による暖房器具も同様で、長時間熱気に晒されれば、低温やけどのおそれがある。低温やけどは皮膚が赤くなったり、水ぶくれができる程度であるが、皮膚の深部までやけどが到達していることがあり治癒まで数ヶ月必要とする。暖房したまま就寝することは極めて危険であり、必ずスイッチを切ることが大切である。

カーボンヒーターの特徴

カーボンヒーターとは、ニクロム線を用いた熱源ではなく、炭素繊維に不活性ガスを充填した石英管に入れた発熱体を熱源として利用した電気暖房器具である。暖房器具としての仕組みはカーボンヒーターもハロゲンヒーターと同様であるが、ニクロム線やハロゲンランプを利用しているハロゲンヒーターよりも赤外線の放射効率が良く、電気エネルギーを赤外線領域に良く放射し、赤外線放射量はハロゲンヒーターの2倍とされている。赤外線放射量は暖房能力に直接影響するため、ハロゲンヒーターよりも高い暖房性能を持っている。

ハロゲンヒーターとカーボンヒーターの比較

赤外線放射量が多いため、カーボンヒーターはハロゲンヒーターよりも遠赤外線効果が高くなり、水分を含む人体を効率よく加熱できる。身体の芯を暖められるという表現は、この遠赤外線効果の高さである。同じ消費電力で、倍の赤外線放射があるため、同一熱量を得たい場合の消費電力は半分に抑えられる。

同じ能力のハロゲンヒーターと比較し、消費電力を半分近くまで小さくできるため、電気代を低く抑えられる。暖房性能が低下することもないため、カーボンヒーターはハロゲンヒーターの上位品と考えて問題ない。カーボンヒーターはハロゲンヒーターと同じように、熱源となるフィラメント本体から発光するが、ハロゲンヒーターよりも眩しさが抑えられている。

カーボンヒーターの寿命

カーボンヒーターの寿命は、約5,000~7,500時間と、ハロゲンヒーターよりも長い寿命を持っている。ハロゲンヒーターと同様な計算として、一日5時間程度の運転行った場合 5,000[h] / 5[h/日] = 1,000[日]程度となる。夏季や中間期は暖房を使用しないため、年間5ヶ月(150日)運用することで再計算すると 1,000[日] / 150[日] = 6年程度の寿命となる。ハロゲンヒーターよりも長い寿命が期待できるので、実際は7~8年程度はフィラメントが切れないものと考えられる。

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